戸畑祇園大山笠行事

もっと! 戸畑祇園大山笠

戸畑祇園大山笠行事

 200年を超える歴史を持つ戸畑区の伝統行事「戸畑祇園大山笠行事」は、国の重要無形民俗文化財に指定され、福岡県夏の三大祭りの一つとして「提灯山」の愛称で広く親しまれている、飛幡八幡宮、菅原神社、中原八幡宮の三社の夏祭りです。

その起源は、八幡神社(現在の飛幡八幡宮:大正9年に鳥旗から現在地に遷座)の記録によると、享和3年(1803)、須賀大神に疫病退散を祈願した際、御神徳により平癒したため、山笠をつくり祝ったことから始まったといわれています。
天籟寺は戸畑の枝村だったため、戸畑と同時に始められたと考えられ、中原は隣村であり、いろいろ交流もあったのでほぼ同時期か数年遅れではじめられたと考えられています。

 その特徴は、昼の幟山笠が夜になると提灯山笠に姿替えすることです。
 幟山笠は高さ1.8メートルの台上に勾欄付きの台座をすえ、紅幟、白幟各6本を左右交互に立て、正面に前花、背面に見送り、台上にてまりこを飾ります。山笠台はフジカズラの根で締め付け、水引幕、切幕、前掛幕をかけます。
 見送りと幕類は武者絵などの図柄を金糸銀糸で刺繍した豪華なもので、現在、国庫補助等を活用して、幕類の復元新調が順次行われています。
 提灯山笠は幟山笠の装飾をすべて取り払い、台上に高さ約4メートルの四本柱を固定し、この上に5段57個の提灯をつけた角錐型の先端部を一気に担ぎ上げます。続いて順次、12段に309個の提灯を飾りますが、この形態の提灯山笠としては日本最大規模(総高約10メートル)です。

6月下旬から祭礼の準備として、宿開き、道具調べがあり、ついで獅子舞(大祓い)の行事、カズラ取り、山笠組み立て、ならしがきを済ませ、祭礼の日が来ると、神移し-大下り-お汐井汲み-地域内巡行-大上り-神納めの順で行事が行われます。
 祇園囃子は、行事にあわせて、獅子舞、居神楽、大下り、おおたろうばやし、大上りの5種類がありますが、各山笠により違いがあります。
 祭りは、7月の第4土曜日をはさむ前後3日間で、中日の夕刻から戸畑区役所前、浅生一号公園周辺で、戸畑祇園大山笠競演会が行われます。